メタボリックシンドロームの診断基準
日本では、ウエスト周囲径(腹囲)が男性85cm・女性90cm以上で、血圧・血糖・脂質の3つのうち2つ以上が基準値からはずれると「メタボリックシンドローム」と診断されます。
いわゆる「メタボ」は肥満にいくつかの危険因子が重なることで心筋梗塞や脳卒中などの動脈硬化性疾患を起こしやすくなっている状態です。
それぞれ程度は軽くても複数の病態が組み合わさると動脈硬化が進行することは以前からわかっており、「シンドロームX」「死の四重奏」などと呼ばれていましたが、WHO(世界保健機関)が「メタボリックシンドローム」として概念をまとめたのに続き、日本では2005年に複数の医学会が合同して策定されました。
メタボの定義
メタボの定義は、まず内臓脂肪型肥満があること。
基準として内臓脂肪面積100cm2に相当する腹囲を定めましたが、女性のほうが皮下脂肪が多いために5cm大きく設定されています。
これでは身長が考慮されないので「腹囲は身長の半分を超えない」という考え方をすることもあります。
脂肪組織の身体への影響
脂肪組織は従来、余ったエネルギーを貯蔵する場所と考えられてきましたが、近年ではそれ以外にも、さまざまな物質(アディポサイトカイン)を合成・分泌することで全身に大きな影響を与えているということがわかってきました。
具体的には、糖質や脂質の代謝を悪化させて血糖値や中性脂肪を上昇させたり、血圧上昇をまねく原因となったりします。
内臓脂肪を減らしましょう
対策はまずこの内臓脂肪を減らすことなので、食べ過ぎ・飲み過ぎをやめ、食事内容を見直すことがもっとも大切です。
さらには、運動不足や喫煙などの生活習慣全般を見直していきます。
特定保健指導として保健師や健康運動指導士と一緒に取り組む場合もありますが、意欲があれば自分自身でできることばかりです。
内臓脂肪は皮下脂肪より落としやすく、あきらめずに取り組めばかならず効果が得られます。
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