痔核(いぼ痔)は、排便時のいきみなどにより、肛門周囲がうっ血して腫れることで生じます。
小さいうちは無症状ですが、出血したり、発生する部位によっては痛みを生じたり、大きくなると肛門の外へ脱出したりします(脱肛)。
まずは局所に炎症や痛みを抑える薬を使用しますが、うっ血させないような生活習慣の改善も必要です。
裂肛(切れ痔)は、太い便や硬い便が肛門を通過するために、出口付近が切れることを言います。
たいていは発生時に痛みを感じ、多少の出血を伴います。
ケガと同じなので必ず治りますが、毎回そのような負担がかからないように、食事や生活習慣の改善によって便通をよくすることが大切になります。
このほか痔瘻・肛門周囲膿瘍といった、痛みや発熱とともに膿の混じった分泌物が出るような疾患もあります。
それぞれ別の疾患であり治療法が異なり、肛門の異常だけでなく大腸の検査が必要と考えられる病態もあります。
お尻や肛門についての悩みは、羞恥心から受診をためらってしまう人も多いようですが、排泄は毎日のことで、とても大切です。
自分の目で見て確認するのは困難な場所でもあるので、一人で悩んだり自己判断で治療したりせず、お気軽にご相談ください。