痛風とは?
痛風は、文字通り「風があたっても痛い」くらいの激しい痛みを生じます。
典型的には、足の親指の付け根の部分が急に赤く腫れてひどい痛みを起こし、いちど経験すると「起こりそうな不快な感覚」もわかるといいます。
尿酸値に注意
体内に尿酸という物質が多すぎると、関節のなかで尿酸ナトリウムの結晶(尿酸塩)を形成することがあり、そこで炎症を起こすために激しい痛みとなるのです。
血液中の尿酸値が高いこと(高尿酸血症)が診断の決め手になります。
尿酸とはプリン体が分解されてできる物質です。
プリン体はあらゆる生物の細胞の核のなかに存在するので、ほとんどの食品に含まれますが、一般的には肉類、内臓系、魚卵など、アルコールではビールに多く含まれます。
血中尿酸値には、摂取されるプリン体のほか、体内で細胞の新陳代謝にともなって産生されるプリン体、腎臓から尿中に排泄される量が影響します。
激しい運動によって筋肉の細胞が壊れることで一時的に高値になることもあります。
生活習慣の改善を
尿酸値については体質的な面もありますが、痛風が起きるほどの場合には、食事など生活習慣の見直しが必要です。
痛風は昔から経験的に“ぜいたく病”と言われてきました。プリン体を多く含む食品を毎日多量に食べるのは避けたほうがよいのです。
ビールでなくともアルコール自体に尿酸値を上げるはたらきがあるので、飲み過ぎは禁物です。
肥満も、インスリン抵抗性が生じることから尿酸値が上がるので、減量がすすめられます。
尿酸の排泄をよくするために水分をたくさん摂取しましょう。
また高尿酸血症は尿路結石、腎結石の原因となることがあります。
排泄される尿酸が増えて尿が酸性に偏ることで結晶を作りやすくなることから、尿がアルカリ性になるような食品の摂取がすすめられます。
野菜、海藻、きのこなどを積極的に摂りましょう。
これは尿路結石の食事療法ではよく言われていることですが、痛風の場合にもこの“アルカリ性食品”を摂る、というのは重要だと考えます。
治療について
治療として、激しい痛みのときは一般的な鎮痛剤を使い、たいていは数日間で改善します。
高尿酸血症そのものにたいしても、薬によって尿酸を下げておくことで、関節内にできてしまった結晶が溶けやすくなるとされています。
単純に尿酸が多いだけで痛風のない高尿酸血症が心血管疾患や腎不全のリスクになるかどうかは議論のあるところで、薬物治療の意義について一定の見解は得られていません。
しかし尿酸が高値になるような生活そのものが、生活習慣病全般のリスクであることは確かです。
低すぎても良くない
ところで、尿酸値が低すぎることにもじつは問題があります。
ごくまれですが遺伝的に極端に低い、腎性低尿酸血症という病態があります。
また、呼吸などの生命活動によって発生してしまう活性酸素は細胞にダメージを与えますが、尿酸にはこの活性酸素を消去する“抗酸化物質”としてのはたらきがあります。
いわば体内でつくられたビタミンCのようなものなので、多すぎず少なすぎず、適切な値に保つのがよいのです。
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