人間の身体は約60兆個の細胞からできており、細胞をもっと小さな単位で見ると、多種多様な分子によって構成されています。
細胞はそれぞれが生命活動の機能を担っており、1秒たりとも休むことなく、化学反応式で示されるような分解・合成によって新たな分子を産生しています。
このように細胞を構成する分子、生命活動にはたらく動的な物質としての分子の視点から栄養を考えるのが分子栄養学です。
分子栄養学
分子栄養学というのはもともと英語のオーソモレキュラー栄養療法(orthomolecular medicine)を訳したもので、語源は「分子(Molecule)を整える(Ortho)」に由来し1960年代のライナス・ポーリング博士(米国)、エイブラム・ホッファー博士(カナダ)に遡ることができます。
現在の日本では、そのままオーソモレキュラーと言ったり、分子整合栄養医学と訳されることもあり、流派による違い、とでも呼ぶものが存在しています。
いずれも適切な食事や、必要であればサプリメントや点滴を利用して栄養素の過不足を調整することによって、個人のさまざまな症状を改善させようとする栄養学です。
分子栄養学的血液検査とは
個人の栄養状態をどのように評価するか、その症状とどのように結びつけて考えるか、方法は多数ありますが、血液検査によっても知ることができます。
通常、病院や健康診断で行われる血液検査は、病気かどうかを判断するために行われていますが、分子栄養学ではそこから栄養状態についての情報を可能な限り読み取り、関連項目を追加して調べることでさらに詳細にチェックします。
栄養状態が良好であれば、免疫力や自律神経の機能も良好に保つことができます。
「なんとなく不調」を深く調べてみる
通常の検査では異常なしと言われていても「なんとなく不調」と感じている場合、疲れやすい、頭が重い、スッキリしない、などの本人しかわからない症状に関して栄養素の不足が関係していることがあり、栄養状態を把握して対策をすることが改善に繋がります。
血液以外に毛髪などを用いた検査方法も各種あり、今後はさらに増えると予想されます(いまのところ当院では対応しておりません)。
大半は健康保険の適応になっていません。
血液・尿検査の基本項目(血液47項目+尿)
- 白血球数
- 赤血球数
- ヘモグロビン量
- ヘマトクリット
- 血小板数
- MCV
- MCH
- MCHC
- 血液像
- 網状赤血球数
- 血清鉄
- フェリチン
- 総鉄結合能
- 不飽和鉄結合能
- AST(GOT)
- ALT(GPT)
- ALP
- LDH
- γ―GTP
- CHE(コリンエステラーゼ)
- アミラーゼ
- T―BIL(総ビリルビン)
- D―BIL(直接ビリルビン)
- クレアチニン
- 推算GFRcreat
- BUN(尿素窒素)
- UA(尿酸)
- 総蛋白
- 蛋白分画
- A/G比
- CPK(クレアチンキナーゼ)
- CRP定量
- ナトリウム
- カリウム
- クロール
- カルシウム
- 無機リン
- マグネシウム
- 亜鉛
- 銅
- TG(中性脂肪)
- HDLコレステロール
- LDLコレステロール
- NEFA(遊離脂肪酸)
- 血糖
- HbA1c(NGSP)
- 1,5-AG
- グリコアルブミン
- インスリン
- 尿定性検査(pH、潜血、蛋白、糖、ケトン体など)
実施時間・料金
検査実施時間帯 | 平日・土曜 午前中のみ |
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検査のみの料金 | 11,000円(税込) ※検査の結果後に栄養カウンセリング希望の場合は別料金となります。 当院初診の方は初診料として3,000円いただきます。 |
検査後のレポート 作成料 |
11,000円(税込) ※簡単な解説がつきます。 |
オプション検査(別料金)
25-OHビタミンD | 5,500円(税込) |
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ホモシステイン | 3,500円(税込) |
抗ヘリコバクターピロリ(ピロリ菌)IgG抗体 | 1,100円(税込) |
ペプシノーゲン | 3,400円(税込) |
胃がんリスク検査 (抗ヘリコバクターピロリIgG抗体、ペプシノーゲンⅠ/Ⅱ) |
4,400円(税込) |
甲状腺機能(TSH、FT3、FT4) | 4,400円(税込) |
異常が見つかったときには
即時性のサプリメント
特定の栄養素の不足があきらかな場合はサプリメントをお勧めする場合があります。
つらい症状に対して早急に効率的な対策をしたい場合、よりよいパフォーマンスを追求している時期などには、サプリメントは期待以上の効果を発揮することがあります。
しかし結果としてあれもこれもと大量になってしまうことで、経済的・心理的な負担を生じる可能性も否定できません。
根本的な解決に近づく、食・生活の改善
当院では食事をはじめとした生活習慣の見直しが最も大切であると考えています。
食生活を変えることはサプリメントを飲むことよりも最初はむずかしいと感じられるかもしれませんが、効果が持続する根本的な方法になると考えます。
栄養カウンセリングの時間で丁寧にわかりやすく解説し、より適切な食事について提案いたします。
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